ATAC会員ブログ

ATACでは月に2回研究会を実施しており、会員はジャンルを限定せず、順番に日頃の考えをプレゼンしています。

そのプレゼンから会員投票で興味ある内容(エッセンスのみ)を毎月、掲載していきます。


光触媒について」 投稿者:山口誠 投稿日:2022年9月5日

 

(1)  はじめに

 東海道・山陽新幹線ののぞみ号の光触媒式空気清浄機、近鉄電車・バスの抗菌処理表示、パナホームの一戸建て住宅の光触媒防汚処理壁面、日光東照宮の漆の抗カビ処理プロジェクトなど、世界に誇る日本発のクリーン技術として光触媒は、あちこちで、定着してきました。

 今から55年前に東大の本多・藤嶋研究室で、酸化チタンに水の中で光を当てると、水が分解されて酸素ガスが発生することを発見されたのが、光触媒研究の開始点でした。

 

(2)  光触媒の2大性質と6大機能

 酸化チタンという物質に光を当てると起こるのが光触媒反応ですが、この光触媒には、強い酸化分解力と超親水性という2つの特別な性質があります。

 強い酸化分解力とは、水を分解して酸素を発生させたり、どんな有機物もCO2まで分解させたりする力です。

 超親水性とは、水になじみやすくなって、水が表面に均一に存在することです。水を弾く撥水性(はっすいせい)と正反対の性質です。

 

 この2つの性質をうまく組み合わせて6つの有用な機能(①抗菌・抗ウイルス、②防汚、③防曇、④脱臭、⑤大気浄化、⑥水浄化)が生まれ商品化が進んでいます。

図1.抗カビ効果を活用 日光東照宮陽明門修理
図1.抗カビ効果を活用 日光東照宮陽明門修理

(3)  現在の研究例

 光触媒は、相手が大量の物を瞬間的に無くしてしまいたいといった化学反応には、不向きです。

 

 研究開発の一つの方向性として、微量でも我々が手を焼いているもの、困っている物質を相手にしています。ニオイ、除菌・抗菌、鮮度対策といった分野です。例えば、佐賀で朝に収穫されたイチゴをその新鮮さを保ったまま京阪神に移送する際には、JALカーゴと呼ばれる光触媒コンテナが使われています。

図2.光触媒コンテナ JALカーゴ
図2.光触媒コンテナ JALカーゴ

横浜の三菱ケミカルの研究所では、光触媒で水を分解することで発生した水素と大気中のCO2を反応させて、プラスチックや化学繊維の原料をつくる研究が進められています。人工光合成実験と呼ばれています。

図3.人工光合成実験 イメージ図
図3.人工光合成実験 イメージ図


ATACには光触媒に関するプロフェッショナルが在籍します。

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